往診に同行する看護師の仕事を紹介します。看護師には医師の診療補助だけでなく、ご家族のケアや各種調整など様々な役割が求められます。看取りを実施する機会の多い在宅医療において特に重要なのが、ご遺族の心のケアです。身近な人を失い、深い悲しみを抱える人に癒しを与えられるよう、看護師は誠意をもって対応する必要があります。往診のスペシャリストを目指すのであれば、専門資格である「診療看護師」の取得がおすすめです。
看護師が往診で行う主な業務を紹介します。医師に同行し、患者さんのバイタルサイン測定や採血、医師の診療補助、必要な処置などを行います。また、ご家族からの相談に応じて最適なアドバイスを送ります。在宅医療をスムーズに進めるためには訪問看護師やケアマネージャーなど他職種との連携が必須なため、情報共有も積極的に行います。職場によっては往診のスケジュール確認や物品の手配なども看護師が行います。ドライバー業務を兼任することもあるため、その場合は運転免許が必要です。
続きを読む在宅医療で重視されるのが「グリーフケア」と呼ばれる、身近な人を失くした人への心理的なケアです。グリーフケアが日本で知られるようになったのは1970年代ですが、現場にグリーフケアが普及したのはもう少し後です。身近な人を失くし、大きなストレスを抱えるようになると外傷性ストレス障害や重大な精神疾患を発症する恐れがあります。それを防ぐためには、患者さんやそのご家族にとって最も身近な存在である看護師によるグリーフケアが必須なのです。
続きを読む往診に興味のある看護師におすすめの資格が「診療看護師」です。大学院の修士課程において、医学の知識と初期医療に関する実践を修了した者に与えられます。診療看護師の資格があれば、医師が何らかの事情で患者さんへの対応ができなくなった際にも、特定の医療行為であれば実施できるようになります。大変ではありますが働きながらでも取得できるため、熱意のある人は挑戦してみてはいかがでしょうか。診療看護師はまだまだ数が少なく、現場にとって非常に貴重な存在です。
続きを読む診療看護師として往診に携わる先輩看護師(Aさん)の声を紹介します。Aさんはこれまでずっと病棟で勤務していましたが、入院治療の影響で自宅生活に戻れず困っている患者さんを診る機会が多くなってきたことから、在宅医療に興味を持つようになりました。実際に働き始めてからは、今までよりも患者さんやそのご家族の思いを聞く機会が多いことを知り、いかに安心して療養生活を送ってもらえるかを考えるようになったとのことです。
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